”やってみて系”動画は誰のためなのかを考える記事です
動画の対象となる人を、私の想像で3つのグループに分けてみました。
- ジムでのトレーニングが趣味として自分でその方法を模索することが好きな方
- 運動を教えてもらう期待より、自分が運動をするモチベーションをあげたい方
- 自分で簡単に出来、体の悩みの解決に役立ちそうな方法を探している方
前回の記事では、1と2について書きました。
今回は3つ目のグループについてです。
”自分で簡単に出来、体の悩みの解決に役立ちそうな方法を探している方”に動画が役立つのか?
前回の記事でも書きましたが動画の内容自体は適切であることが前提です。
前回の2つのグループが”運動”ありきが前提の方達なのに対して、3つ目のグループの方は体の悩みを解決する手段を探しているなかでの運動です。このグループは運動がそのものが楽しいとか、試行錯誤が楽しいというようなマニアではないので、”適切に出来るか”の重要度が2つのグループと違うと考えられます。
動画を参考にする難しさは以下の2つです。
- 自分の悩みに適切な動画(運動)を選ぶことが出来るのか?
- 動画を見て自分で適切に出来るのか?(出来ているのか判断できるのか?)
トレーニングが趣味の方は2つの過程も含めて楽しまれているはずですし、モチベーションを上げたい方はそこまで細かいことを参考にしていないはずなので問題とならないであろう2点です。
自分の悩みに適切な動画を選ぶことが出来るのか?
自分の状態にあった適切な動画(動画)を選ぶことが出来るのでしょうか?
動画の制作者が”XXにはこれ!”ということ言っているので簡単に思われるかもしれませんが、自己判断した見た目や感覚が本当に”XX”なのかは分かりません。なぜそれが起きているかの判断ができていて、はじめて適切な対応ができます。
選んだ動画が悩みに対しては適切であっても、筋力や柔軟性などの体の能力にあっていないと動画の通りにやろうと思っても出来なくてかえって体を痛めてしまうかもしれません。
動画見るだけで自分で適切に出来るのか?
動画を見ただけで適切に運動をおこなうのは困難です!
これはパーソナルトレーナーとして言い切れます。
動画ではなく実際に見本をみていただいて、修正のアドバイスなど無しに1回で出来る方はいません。
とはいえ、前回の1のグループのようなトレーニングが趣味の方達であれば、動画を元に試行錯誤しながら適切なフォームに近づけること自体が楽しみであるのでその過程で大きな怪我をしない限りは良いと思いますが、3つ目のグループの方はそれは望んでいないはずです。
対面でのパーソナルトレーニングの場合
対面でのパーソナルトレーニングの方法と比較していただくとよく分かると思います。
- パーソナルトレーナーが個人にあった適切な運動を選ぶ
- 運動の見本を見せる
- 重要なポイントを説明する
- 実際に運動をしていただく
- やっていただいた様子に個人にあった適切なアドバイスをする
この後は、4と5を繰り返しながら適切に運動が出来るようにします。
覚えの良い方だと初日で形になることもないわけではありませんが、そのような方でも1週間後にやってみると自己流が顔出すのが大半なため、4,5を再び繰り返しています。
適切な運動の選択と個別の事情にあったフィードバックが出来なければ自己流と同じでは?
目的や体に合わせた運動を選び、その運動を適切に行うには個別に事情にあったフィードバックが必要です。
それがなければ成果を得られないだけではなく、運動に対する苦手意識を増やしたり、怪我をしたりすることもおきえます。
普段、運動指導をしている人なら知っているはずなのに
運動は適切におこなえなければメリットが得られないことは、普段か運動の指導をしている人であれば知っているはずです。それなのに動画をあげて”XXにはこれ!”とやっているのは無責任に考えられてなぜなのかは私には分かりません。
皆さんはどう思われますか?