先日、あるフィットネス器具が本当に効果があるのか実験してみようというテレビの企画を偶然見ました。ところがその実験の条件が適切ではありませんでした。
テレビのバラエティ番組の企画なので真面目に色々ケチをつける必要はないのかもしれませんが、このようなおかしな比較は、残念ながら製品の広告など珍しいことではないので記事にしてみました。
製品の効果を調べるための設定がおかしい
製品を使用し、決められた期間で体重や体のサイズがどのくらい変わるかを調べる企画でした。
企画に参加した人はタレント1名。
最初にその器具の使い方を教えてもらい、あとは自分で実践します。
それに追加して、食事を普段とは違う低カロリーでバランスが良いとされるメニューに変更しました。
なぜ食事を低カロリーでバランスの良いもの変えるのか?
そのタレントは普段は揚げ物が好きでよく食べているそうです。
ところが、なぜかせっかくなのでという理由にならない理由で、普段とは違う食事に変えました。
製品の効果を調べるためには、製品を使った場合と使わない場合の比較が基本となるはずですが、そこに食事という要素を追加してしまいました。
この条件では変化があった場合の要因が分からない
この実験では2つの要素、「器具を用いた運動」と「低カロリーな食事」を入れました。
これでは変化があった場合に、変化を生じた1番の要因がどちらかが分かりません。
減量などを目的としたパーソナルトレーニングのサービスと同じような方法ではあるので、このタレントがある期間で痩せるための企画であればアリなのかもしれません。でもこの番組ではあくまでその器具の効果を調べるという目的のための企画で、そのタレントが痩せることが目的ではありませんでした。
調べる人がタレント1人というのも適切ではないですが、そこは食事を要素に入れた段階でそもそも意味をなさないので今回は取り上げません。
これを普通にやってしまうのは、バラエティ番組だとしても面白がれる部分がどこにもないですよね。
せいぜいタレントがキツそうに運動しているところぐらいでしょうか?
製品の効果などは実験の条件を確認しましょう
実験や比較の条件が適切でなければ、そこで得られた結果も適切な判断ができるものにはなりません。
製品の広告に限らず色々なところでそのようなことがあると思いますが、余程専門的なことでない限り少し見ればおかしいと気が付けることがほとんどだと思います。
意図的に誤解を生むような見出しやなどをつける人がいる以上、自分にとって都合の良いことも悪いことも見出しや、結果だけを見て判断せずに、内容を確認してからにしたいですね。