筋力トレーニングに限らずトレーニングを定期的に行うメリットは、単に身体能力を向上させることだけではありません。それはやり続けると結果として分かることですが、これに気がつけるとトレーニングを継続するためではなく、トレーニングの先にあるパフォーマンスにも良い影響を与えるはずです。
潜在的な能力は変わっていないはずなのに、調子に差があるのは
筋力や柔軟性などの能力は、数日で極端に向上も減少もしません。
それでも実際には、動いた時の感覚が良かったり、悪かったり、上手に動けないことを感じ経験は誰もがあると思います。
今回はその要因の1つで無視してしまいがちなケースについてです。
運動・トレーニングの時間の前の時間に何をしていたか?
トレーニングをする前の時間に何をしていたかでも体の動きは変わってきます。
よくある例として
- 30分〜1時間程度座ってPC作業をしていた
- 30分〜1時間程度車の運転をしていた
- ソファーに座って配信でTVドラマを1話観た
など、日常生活でよくある状況です。
動いていないことによる影響は軽視されがち?
半日、1日中のような長時間の場合は、その程度に個人差はあっても座り続けた影響(体の硬さなど)を認識できると思います。
ところが日常生活ではよくある30分〜1時間程度だと、そこまで明確に違和感を感じることはなく動き始めても日常生活レベルの動作だと差を感じないし特に問題も起きないと思います。
それが、トレーニングだとなんとなくでも調子の違いが生じる可能性がありその状態を感じることは出来ると思います、ただそれが、30分ほど座っていたことで体の動きが悪くなっていると認識されないことが問題です。
動いた場合の疲労と比較すると、少し動いていないことで体が動きにくくなることの影響は軽視されがちではないでしょうか?
体の状態の違いで起きていることを、技術の”上手・下手”の問題と勘違いしがち
日常生活レベルでは感じることが出来ない体の変化であっても、それよりも負荷の大きいトレーニングではその影響から感覚通りに動けないことは当たり前に起きます。(スポーツも同様です)
ただ当たり前すぎるからか、適切に認識されていないことが多いようです。
調子の良いと感じる時のように体がコントロール出来ない場合、直ぐに体の状態も要因の1つと考えられると良いのですが、じっとしていたことで体が硬くなっていても体に違和感をさほど感じていないため、上手く動けないのは技術的に下手になっていると技術の問題と考えてしまうことがあるようです。
その結果として、一時的に動かない状態の体に合わせるように技術自体を変えてしまうようなことになると当然ながら上達の妨げになり、安定したパフォーマンスを発揮するのは難しくなるのは想像できますよね?
やり投げの北口選手のうつ伏せもそのことを考慮していたようです
やり投げの北口選手がパリオリンピック、世界陸上で金メダルを取った競技中に自分の番を待つ間うつ伏せになっていることも話題になりましたよね?
椅子に座っていることでやり投げの動きに影響することを避けたかった
あれはただリラックスしていただけではなく、待機中に椅子に座ったりすることで猫背になることが槍投げの動作に悪影響を及ぼすため、それを防ぐための対策だったようです。
コーチの指示か北口選手自身の感覚からきたもの、それとも両方かなどの背景は正確には知りませんが、休んでいる直前の姿勢の影響についてシビアに考えていることを一般の方が知る機会になったと思いますし、知らなかった方はそのような視点で見ると北口選手の見方も変わるかもしれませんね。
(寝そべっているだけでなくカステラを頬張る姿に対して、1部の方からスポーツとは関係のない部分での批判的な言葉もあったようですが)
もったいない!
自分は世界一になるような選手ではないからと考えるか、そんなTOPの選手の体でもそんな僅かなことに影響されるなら自分ももっと気にしなければと考えるかはあなた次第ですが、一時的に起きている体の状態に左右されて、下手と考えてしまうことで、技術を変えることで結果的に自己流と言われるようなフォームなってしまうのは何とももったいないと思いませんか?
ウォーミングアップを漫然とやるのではなく
ウォーミングアップの時からそのような意識を持って体を動かすことで、どこかが動きにくくなっていたり反応が悪かったりと体の状態に気が付くことが出来るようになるはずです。
人間の体の状態や感覚は常に変化します。
トレーニングでは日常生活の動作程度では気がつけないことにも気がつくことが出来る機会です。
そのような視点をもつと、運動が好きでない方でもトレーニングで体を動かすことが自分の体の状態の変化を感じられる少し楽しいものになるかもしれませんよ!
先週末は、MotoGPが開幕しました。(日テレG+で見られず)
今年からMotoGPに昇格した小椋選手が、今後がますます楽しみな走りを見せてくれました。