特に、トレーニングをはじめたばかりのお客さまが関心をもたれることがあります。
この運動はどこに効いているのですか?
「効く」ということをすごく気にされるかたがみえます。
「筋トレは、筋肉に効かせるもの」という認識だからだと思います。どこかに効いている感じがしないと間違えているのではと不安に感じるのではないでしょうか?
ただ、トレーニング開始時はまずは適切なフォームを覚えることが第一です。そのため軽い負荷でおこないますが、そのキツクないもの足りなさからそのような不安を感じるのだと思います。ですがそうした場合の多くがその軽い負荷でも適切なフォームがとれていないからです。事実。適切なフォームでおこなおう努力される方、適切なフォームでおこなえるようになった方からは、この質問はあまりでません?なぜなら、適切なフォームとそれまでのフォームの違いに気がついて修正すると、いままでより軽い負荷でもできなかったり、十分キツイからです。
とにかく動いて「効いた」気がすればよいの?
あくまで推測ですが、こういった質問がお客様から出るときは、トレーニングを受けられる方の関心がまだ信用するに値するか分からないパーソナルトレーナーが言う、昨日TVでみた、部活の先輩に教えてもらったフォームと違う、適切とされるフォームでおこなう努力よりも、「早く向上したい。そのためはとにかく激しく動いたり、重いものをもって効くトレーニングをしなければ!」と、いう思いが勝っているようにもみえます。
「キツイ」と「効く」にこだわり過ぎて目的がみえなくなる
今回は、「キツイ」と「効く」のうち、「効く」にフォーカスしてみます。
何に「効く」かを聞きたくなるのは当然
最初から「効く」を気にすることがいけないような進め方ではじまったかもしれませんが、トレーニングしているのでそういった質問をしたい気持ちは当然ですね。でも、「効く」の内容にも種類があるようなので、そこを少し整理してみましょう。
トレーニング中のお客様が気にする「効く」の意味は2つ
「効く」という言葉で質問される場合、2つの意味が考えられます。
- 目的に対してこの運動が効くのか?(どういう効果が得られると考えられるのか?)
- この運動が身体のどの特定の部位に効くのか?
この2つについて、少しほりさげてみます。
1.目的に対してこの運動が効くのか?
「この運動が、ジャンプ力の向上に役立つ可能性がある」
「この運動が、XXを引き締めスタイルを改善する」
このように、運動の先にある目的に対して「効く」(役立つ)のかを確かめたい気持ち。
このケースは、そのためにトレーニングをされているので関心をもって当たり前だと思います。パーソナルトレーナーもお客様にきちんと説明する必要がありますし、納得して進めていくことでモチベーションもあがるでしょう。
2.身体の特定の部位の筋肉にこの運動が効くのか?
「この運動は太腿の前に効いている」
「この運動は腹筋に効いている」
このように、特定の筋肉に効くのかを確かめたい気持ち。
気持ちは分かるのですが、こういう考えを持たれる方はご自身のトレーニングの目的がなにであるかを思い出される必要があるかと思います。
あなたの目的は筋肉に効いた感じがすること?
筋力トレーニングで、どの筋肉の運動(どこに効く)であるかは大事なことではあります。ただし、筋力トレーニングは手段であり、その結果が最終的な目的につながる可能性を高めたり、役立ものである必要があります。そうした視点から安易に「効いている感じがする」にこだわり過ぎないことも大切です。「特定の筋肉を大きく、強くすること」が全ての目的であるならばそれでもよいのかもしれません。またそうであるならば選択する運動も違ってきます。でも多くの方の目的は、1つめの意味と同じなのではないでしょうか?
ご自身の目的と筋力トレーニングの知識のズレ
筋力トレーニングについて、調べると「効かせる」ための情報が沢山でてくると思います。身体の部位に分けて、どこどこを鍛えるなら、その部分にあるXXX筋を鍛える。そしてその方法まで。この情報自体がある程度正しかったとしても、こういった情報に接する際に1つ考えてみましょう。こういうトレーニングの方法はボディビル的な方法だと、少し知識がある方であれば気がつくことができるのではないでしょうか?
筋力トレーニングの考え方にもいろいろ
繰り返しますが、どんな考え方であれ筋力トレーニングなので効く(目的の筋肉)というのはあります。ですが、運動の種類によっては効く感覚が分かりにくい場合もあるということを知っていただけたらと考えています。
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まとめ
今回は、2回にわけて書きました。ボディビルを引き合いに出しましたが、筋肉トレーニングというとそのイメージの強さからか、一般に流れている情報の多くをしめているような気がします。どちらがよい悪いのではなく、目的が違うならば、考え方と方法も変わるということです。ですから、目的がスポーツや日常での動作を改善したり、怪我のリスクを減らすためにおこなうのであれば、そういった一般的に現状では多く流れていと考えられる情報だけではなく、その目的に合わせた考え方とや方法があるということを知っていただけたらと思います。