スポーツのために、スポーツの練習以外にジムでのトレーニングを取り入れることは、プロ選手だけではなくアマチュアのスポーツ愛好家の方でも当たり前になりつつあるように思います。
ただスポーツのためのトレーニングの関心が高まっているのは良いのですが、不適切なトレーニング方法も目につくようになりました。せっかくスポーツの練習以外のトレーニングをするのに適切ではない方法なのは残念ですよね?
今回は、一般の方でも少し考えれば分かる、効率が良さそうに見えて実はそうでもなく、よく行われている方法2つに着いて書いています。
- スポーツの速い動きを向上するために、筋力トレーニングの動きを速くする
- スポーツの動作を強くするために、その動作に似せた動きに負荷をかける
どちらも筋力トレーニングとスポーツの動きを結びつけようといつ意図は理解できますが、注意が必要な方法です。
筋力トレーニングの動きを速くする
1つ目は、筋力トレーニングでおこなう運動を速く動かすことです。
これは必ずしも間違いではないのですが、注意が必要です。
ポイントは通常より速く動かしてもフォームが変わらないで出来るか
動作を速くした結果、フォームが元の運動と大きく変わってしまっては意味がありませんよね?
この方法を取り入れたいのであれば、少なくとも元となる筋力トレーニングの運動を少なくとも2つの条件をクリアしている必要があります。
- 運動が適切なフォームで出来る
- ある程度の負荷(重さ)で出来る
そもそも通常のスピードで適切なフォームで出来ていないのであれば運動として成立していません。
そして速く動かす場合には、フォームを維持する為に通常より負荷が軽い必要があります。しかし、元々が自分の体重か僅かな負荷でしか出来ないレベルの場合は、負荷を適切に調整することができません。
つまり、適切におこなうためには、筋力トレーニングとして一定のレベルに達している必要があることが分かると思います。
スポーツの動作に似せて負荷をかける
2つめは、スポーツの動作に似せて負荷をかけるようなトレーニングです。
筋力トレーニングの運動をスポーツの動作に似せておこなうようなイメージです。
この方法の問題は、そもそもスポーツの動作に似せるなら究極はスポーツの練習をすれば良いという矛盾があります。そしてまずは以下の2つを考える必要があります。
- 元となるスポーツの動作が適切におこなえているか?
- スポーツの動作と同じ力の働きを再現するのは難しい
そもそも元々のスポーツの動作が適切におこなえていない場合、負荷をかけたらさらに適切なフォームで動かすのは難しくなるはずです。それでは何をしているのか分かりませんよね?
スポーツの動作と同じ力の働きを再現するのは難しい
負荷の与え方が難しいです。
通常より重たいバットを振った経験がある方は分かると思いますが、最初に握った時、構えた時などバットをスイングする前の段階でいつもと違った力が必要なのを感じたと思います。
この時にいつもより負荷としてまず感じるのは、いつもより地面に近づかないようにする力や、バットに振り回されないような力、しっかり握っておくための握力などがではないでしょうか?
これらの負荷に対する能力が高まることが、特定の個人に役立つ(感覚的、個人の感想も含めて)であれば否定はしませんが、通常のバットを振るのとは感覚が変わるのは確かですよね。
二兎を追うものは一兎も得ず
原則として、スポーツのためのジムでのトレーニングは、スポーツでのポテンシャル(潜在的な力)を高めるための身体能力の向上の場として考えて集中することをお勧めします。
筋力トレーニングの利点は、練習よりも不足している筋力や可動域の向上などの効率が良いことです。その利点を活かすために、適切な運動を適切な方法でおこないましょう。
2つを組み合わせたら”コスパ”が良いように考えてしまうかもしれませんが、欲張って2つのことを組みわせても、身体能力もスポーツの技術も向上しない中途半端な練習を続けることになってしまいますよ。