今回はトレーニングの役割と目的の関係についての話です。
「XXトレーニングで△△を改善しよう!」
上のような表現って、必ずしも間違いではないけれど、発信している側が意識しているかしないかにかかわらず、大切なところが説明されていない場合があります。
(コンセプトのページでも説明しています。GlimSCのコンセプト。)
例えば、「XXトレーニングでゴルフの飛距離アップ!」
このように、あなたが考えてトレーニングをはじめてみようとしているとします。
そのときに考えて欲しいことがあります。
・XXトレーニングのどんな効果がゴルフの飛距離アップにつながる可能性があるのか
・それ以外にゴルフの飛距離アップのためにできることは
目的は「ゴルフの飛距離アップ」で、トレーニングが目的ではないという視点です。
ゴルフのように道具を使うスポーツの場合、クラブなどの道具も見直す必要もあるかもしれないですよね。
パーソナルトレーニングを受けていただくパーソナルトレーナーの立場からすると、トレーニングの価値を伝えたいので、ともするとトレーニングが主役的な文章やコピーになってしまうことはあります。でも、そうした根本の考えを間違えてはいけないし、GlimSCパーソナルトレーニングにご相談いただく方にも伝える必要があると考えています。
ですから場合によっては、
「もっとゴルフの練習をされたほうがよいのでは?」
という提案をさせていただく場合もあるということです。
ゴルフのコーチにゴルフの技術を教えてもらう必要があるかもしれません。
(だからと言ってトレーニングが不要というケースには今までお会いしたケースはないのですが、限られた時間のなかで目的のために何を優先させるかを考えているので。)
これは、テニスのサーブでも野球の球速でもランニングのスピードやスポーツはもちろん、それ以外の目的でも考えることは多くの場合おなじです。
せっかくトレーニングをおこなうなら、その役割を考えてムダがないようすることが大切ではないかというのが、今回の記事です。
あなたの目的に大切な要素と役割を考えてみましょう
目的を達成するために、「XXをすればOK。」なんていう話はなく、望むレベルが高くなるほどそう簡単な話?ではないと思いませんか。(全ての要素が初心者の方は、どの要素が向上しても改善するかもしれません。)
目的のために必要な要素は、トレーニング1つではないケースのほうが多いのではないでしょうか。
トレーニングでスポーツの苦手な動作を改善したい
こうしたケースに、スポーツ以外のトレーニングが役立つ場合もありますが、
「その動作の練習を沢山しているのか?」
ということが大切なのは言うまでもありません。
技術はスポーツの練習で
練習不足、適切な練習がおこなえていないと考えるのであれば、最初におこなう必要があるのは以下のようなことではないでしょうか。
「苦手な動作の練習をする」
「そのスポーツ専門のコーチの指導を受ける」
ゴルフ、テニスなどそのスポーツ練習をしているけれど、その適切な練習方法などが分からないのであれば、オザワのような身体をつくるためのトレーニングを指導をするパーソナルトレーナーではなく、ゴルフやテニスのコーチに練習を指導していただくことが必要でしょう。
スポーツの練習が十分におこなえているかがあたり前ですが大切ですね。
スポーツの練習も身体をつくるトレーニングも基本的に地味では
そのスポーツは好きでも、苦手を改善する技術練習は地味で繰り返しおこなうしかないケースも多いと思います。そうした練習は好きになれない方もいるかもしれませんね。そのような方が、他の手段を探した結果としてそのスポーツの練習以外のトレーニングに活路を求めても、それは解決にはならないし、「楽しい」という要素も満たしてくれないかと思います。
なぜならトレーニングをおこなうメリットがある場合でも、そのような方に本当に必要であろうトレーニングは、スポーツの練習以上に地味であることが想像できるからです。きっとまた別の道を探したくなることでしょう。
娯楽性のあるエクササイズに惑わされない
そのような方を待っているのが、娯楽性を取り入れた(このような言葉はないかもしれませんが)トレーニングと呼ばれる、トレーニングとは呼べない運動です。最新器具を使用した体幹トレーニングとかファンクショナルトレーニングとか目新しい言葉がついたトレーニングや、スポーツの動きを取り入れたような楽しげな運動に興味を惹かれるのではないでしょうか。
でも、本当に力(向上したい)をつけたいのであれば、あきらめて地道な道を選びましょう。
(スポーツを特にされていない方が、身体を動かす機会としてこうした運動を1つのスポーツとして楽しまれることは否定しませんが、トレーニングではないというのは対象が誰であっても同じです。)
身体的な能力の向上をトレーニングで
スポーツの練習をおこなえば満足ではなく、もっと向上したいという欲に終わりはないと思います。そうしたときに、身体的な能力を向上させてあげることが助けになるのであれば、トレーニングが役立つでしょう。
なぜなら、筋力や柔軟性など身体の基本的な能力を高めてあげることがトレーニングの役割だからです。スポーツの練習だけしているよりも、効率的にそれらの能力を向上させることが可能だからです。
地道な身体能力向上のトレーニングと技術練習の両方があって
2つをきちんと分けて考えることは、意外?と大切なことです。
さきほども少しふれましたが、それを明確にしておかないとスポーツの練習以外のトレーニングにもスポーツと同じ動きの”ような”運動を取入れるようなことをはじめてしまうかもしれません。でもそうしたことは、何のために別の時間にスポーツの練習以外のトレーニングをしているのかが分からなくなってしまうと思いませんか?
例えば、ゴルフの飛距離を伸ばしたいという方に、ゴルフのスイングに似たような動作に負荷(抵抗)をつけて運動をトレーニングの時間におこなうのは、何とももったいないことかと思います。それであれば、ゴルフの練習をされたほうがよいのではないでしょうか?
そもそも、そうした運動は何のためにおこなうのかよく分からなくないですか?
スイングの技術であれば、ゴルフの練習をすればよいし、必要な筋力などを向上させたいのであれば筋力トレーニングをおこなえばよいのだから。
スポーツの練習以外のトレーニングでは余計なことをせず、とにかく効率よく身体能力を高めてあげることに徹するのが1番なのではないでしょうか。
関連記事:トレーニングの成果を正確に伝えようとすると安易なことは言えない
まとめ
そのスポーツに似て楽しい内容の運動をトレーニングと称して、指導してくれる方もいるかもしれません。多くの方もそのほうが楽しいと思います。でも、本当に向上したいと考えているかたは目先の楽しさではなく、何が必要なのか考えてみれば分かるのではないでしょうか。