最初にこの記事を読んでいただきたいと、オザワが考えたのは理由があります。
キツイ運動がトレーニングくらいの感覚で頑張っても、残念な結果になる可能性が高いからです。
その中でも今回は、自己流でトレーニングをおこなっている方によくある残念なケースを例に書きます。
自己流でトレーニングのつもりが「ただの運動」
このようなケースについて、どう思いますか?
「腕立伏せを毎日100回、3年間つづけている」
毎日ではなくても、一定の頻度で継続して運動を続けられていることはスゴイと思います。ですが、これをトレーニングと呼んでいいかといえば、残念ながらそうではありません。
他にも色んなケースが考えられますが、今回はこのケースを例に話を進めます。
運動をトレーニングとしておこなうには
目標となる身体の変化をおこすために、どのように刺激をあたえるか順を追って考える必要があります。
目標のためには何が必要?
なぜその運動を選んだか?
どのようにおこなえば効果的であるか?
それらについてのなんらかの根拠が必要ではないでしょうか。
「個人の経験」も大切な1つですが、多くの人が認めている「科学的」な視点も加えて考えたいところです。
運動の種類、回数、頻度に理由がありますか?
なぜ腕立伏せを選んだのか?
毎日100回になったのか?
それらの理由が以下のようなものである場合は、トレーニングの根拠とよぶには弱いかと思います。
時間的にそれくらいならできるから。
それ以上の回数はキツくて無理だから。
まずは原則から考えてみましょう
トレーニングにはいくつかの原則がありますが、そのなかでも分かりやすい大切な2つの原則があります。
- 漸進性の原則
- 過負荷の原則
1.少しずつ強度を上げる。漸進性の原則
漸進性は、普段あまり使わない言葉ですが、トレーニングの強度を調整する上で外せません。なんでも強度を上げるのではなく、トレーニングの状況により、少しずつ段階的におこなう必要があります。
2.順応している強度よりも強く。過負荷の原則
トレーニングは運動という手段(この表現は私見です。)で、身体に刺激(ストレス)を与えます。そうすると、身体はその刺激に適応しようと変化します。そうした変化を生じさせるためには、すでに慣れてしまった刺激より、強い刺激が必要です。
この2つを考慮し計画する
どちらの原則も1つの運動の負荷の増加だけではなく、その日、週当たりのトレーニング全体や運動の種類の変更などの要素まで考えることができます。他にもいろんな要素がありますが、この2つを特に理由もなく外した時点で、それはトレーニングとは言えないと考えています。
適切に強度を上げるためにも根拠が必要
なんでも増やせばよいのであれば、誰でもできます。潰れそうな重りをつけて、「頑張れ!」ではいけません。どのように負荷を増やすかにも目安が必要です。
筋力向上の成果を得るには
毎日、同じ回数を続けているということは、さきほどの原則に当てはまりません。これだけでトレーニングとは呼べません。この人がトレーニングをしていると言えるためには、どのように修正をすればよいか考えてみましょう。
(本来は、なぜ腕立伏せなのかから考える必要もあります。今回は省略し、腕立て伏せを筋力向上のためにおこなっているとします。)
他にも考慮する要素があります
回数を101、102・・・と、増やすという考えもあるかもしれません。100回を連続でおこなっていたのか、できなくなると休憩を入れ、合計で100回だったのか分かりませんが回数を増やす。たしかに漸進性で少しずつ増やせばよいかもしれません。でも、この場合は回数を増やすという選択は筋力向上を考えた場合には適切ではありません。
適した負荷ではない
トレーニングには目標のために、効果的とされる基準があります。筋力向上のためであれば、一般的には1セットあたり5~6回前後をおこなうのが精一杯の負荷に設定する必要があります。
「腕立伏せ100回」
これを毎日おこなっている人が、1セット5回しかできないということはないと思います。つまり、普通に腕立伏せをおこなうのでは、負荷が足りず不適切であるといえます。
(全ては適切なフォームでおこなっていることが前提となります。回数を沢山おこなわれている方は、数をこなせるようにフォームが崩れている方が多いので、実際にはここからスタートすることも少なくありません。)
運動の種類、方法を変える
余裕をもって目標の回数ができるようになったら、原則にしたがい何らかの方法で負荷を変化させる必要があります。
腕立伏せのまま負荷をあげる
腕立て伏せは、自分の身体の重さのみを利用した運動です。強度を上げるためには、つま先を台などの上に乗せ、上半身のほうに重心が移るようにすることで、強度を上げてもよいでしょう。また、1人でトレーニングをおこなう際には難しいかもしれませんが、重りの落下には十分注意し背中に重りを載せるなどでも可能です。
ベンチプレスなど別の運動に変更する
バーベルやダンベルを用いることで、負荷(重さ)の設定が容易になります。もちろん体重以上の負荷(重さ)にも対応することが可能です。
ただし、まったく同じ運動ではないということも考慮する必要があるかもしれません。例えば、腕立て伏せの時に必要とされた、胴体部分の安定性の要素はなくなります。その部分も大切にしたいのであれば他の運動で補うなどの工夫をしてもよいかもしれません。運動を取り入れるときに、「なぜ腕立伏せか?」があることでプログラム全体の調整もできるかと思います。
必要な要素を考慮したプログラムでおこなう
運動の選択、順番、負荷(重さ)、量、回数、休憩時間など。
こうした要素を、その人の目的に合わせて考えています。これらの要素を考えることで、「ただの運動」ではなく、「今日はトレーニングをした」ということが言えるようになります。
まとめ
楽しく汗を流せばよいのか?
継続した成果を得たいのか?
まずは、あなた自身が運動をどういう意味をでおこなっているのか、考えてみてはいかがでしょうか?
パーソナルトレーニングではパーソナルトレーナーが考えます
GlimSCパーソナルトレーニングでは適切なトレーニング方法でおこなっていただきます。ですから、お任せいただければ大丈夫です。でも、色々な情報が溢れるなか、実際にトレーニングをされる方に正しい知識をもっていただく機会にもなればと考えています。
せっかくであれば受け身でやらされているのではなく、こうしたことを考えてトレーニングはおこなわれていると知っていただくことが、辛いだけではなく意欲を維持するためにも役立のではないでしょうか?