ヨーロッパのサッカーやウィンタースポーツ以外のスポーツの多くはシーズンが終わり、移籍などが話題の中心になっていますが、移籍話も落ち着くと毎年話題になるのがプロスポーツ選手のトレーニング風景です。
今年も早速、このような文章を見かけました。
実際にトレーニングをしているスポーツ選手ではなく、選手を指導している方が書いたと思われる文章です。
ゴルファーに高重量のスクワットが必要でしょうか?スイングのクセを修正するには体の使い方を直す(整える)運動で体を改善することが大切・・この文章の問題をあなたは分かりますか?
”高重量のスクワットが必要でしょうか?”と否定しながら問いかけ、スイングのクセを無くすには体の使い方をよくする運動で体を改善することが大切と言っています。
”ゴルファー”を他の言葉に置き換えて
- ピッチャーに高重量のスクワットが必要でしょうか?それよりも体の使い方・・・
- バッターに高重量のスクワットが必要でしょうか?それよりも体の使い方・・・
- サッカーに選手高重量のスクワットが必要でしょうか?それよりも体の使い方・・・
- バスケットボール選手に高重量のスクワットが必要でしょうか?それよりも体の使い方・・・
- テニスプレイヤーに高重量のスクワットが必要でしょうか?それよりも体の使い方・・・
ご自身がしているスポーツに入れ替えて読んでいただければ大丈夫です。
この文章でのキーワードは3つです。
- 高重量でのスクワット
- スイングのクセ
- 体の使い方を直す(整える)運動
3つの大事なキーワードを残してこの文章を、トレーニングの考え方の基本である、どのような目的のためにどのような運動などをおこなうかという順番で書き直すと以下のようになりますよね?
スイングのクセの修正のため(目的)には、高重量のスクワット(手段)より体の使い方を修正する運動(手段)?
あなたはどう考えますか?
- 確かにゴルフクラブもボールも軽いし、そんなに力はなくてもボールは飛ぶよね!
高重量のスクワットを頑張るより、辛そうではないし体の使い方を修正する運動に良さそうに思えてきましたか?
今すぐ、この文章を書いた人に教えてもらいたくなった人もいると思います。
でも、既に気がついている方もいるかもしれませんがこの文章と、この文章を書いた人を信用するには大きな問題があります。
高重量のスクワットは曖昧な表現すぎる
この文章でのキーワード
- 高重量のスクワット
一体、どんな基準があっての高重量なのでしょうか?
本気で自分のスポーツのために役立つトレーニングを探しているなら無視できないポイント
いや高重量のスクワットといったら重たい(オモイ)重りを担ぐのは分かるという方も多いと思います。ですが、あなたが本気でゴルフや自分のスポーツのために少しでも役に立つトレーニングを探しているならば、無視をしてはいけないポイントです。
ゴルファーに取って高重量のスクワットって何kgを指すのでしょうか?
50kg?100kg?120kg?150kg?200kg?
その人のトレーニング経験や体の大きさ、体力によってイメージする重量は違いますよね?
とはいえ、見慣れたスクワットよりも体の使い方の運動にまだまだ興味がある方も多いと思います。
そもそも体の使い方とスクワットは別物か?
今回の文章では、体の使い方を改善する運動と比較されたスクワットですが、そもそもこの比較がおかしいと思いませんか?
スクワットも高重量でおこなう前に体の使い方が大切
スクワットも高重量でおこなう前に、まずは体の使い方=適切なフォームでおこなわれる必要があるのは知っていますよね?つまりスクワットを体の使い方を改善する運動と比較するのはおかしくありませんか?
曖昧な表現で片方を下げて、もう片方を優れたように見せる手法には気をつけましょう
良識のある専門家であれば”高重量のスクワットという曖昧な表現は使わずに、
例:体重の1.5倍程度の重量
などと表現をするはずです。
今回の例では、”ゴルファーには体重の1.5倍程度の重量が挙げられれば十分で・・・”のような表現であれば、正解かは別にしてそのような考え方をしているということが、誰が読んでも明確になりますよね。
この文章を書いた方が言いたかったことは、自分が指導をしている体の使い方を改善する運動をアピールすることだと考えられます。その説得力を持たせるために、誰も何となくイメージ出来る運動であるスクワットを曖昧な表現で比較対象として用いていたのだと考えられます。
ただ、残念ながら先ほども書いたように少しトレーニングに興味のある方でちゃんと読めば分かる、体の使い方の大切を説きつつスクワットを否定するという矛盾したことを言っていることが一歩引いて読んでみると分かりますよね。
目新しい運動などは、このようなパターンで説明されていることが少なくありませんので気をつけて読んでみてください。